NotebookLMの用語集の作り方。AIに下書きさせて誤認識を1/5に減らす
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NotebookLMの用語集の作り方。AIに下書きさせて誤認識を1/5に減らす


目次
    1. 1)ゼロにはならない。残る3パターン
    1. 1)3列で書く。この形なら十分

NotebookLMで議事録を作ると、専門用語と人の呼び方が崩れます。「リハビリ」が「リハ美」、「カンファ」が「感謝」、人の名前が違う漢字、職種名が読み仮名のまま。医療介護現場では特に深刻です。

対策は、用語集ファイルをソースに一緒に入れること。それだけで誤認識は体感1/5に減ります。ただ、その用語集をゼロから作るのが面倒です。

結論、最初から自分で全部書き出す必要はありません。過去の議事録をAIに渡し、「職種・人名・専門用語・部署名を用語集にしてください」と頼めば、最初の候補が出ます。人が確認するのは、表記ゆれ、古い情報、AIへ渡してよい情報の3点です。

使うもの。

  1. すでに確認済みで、扱ってよい範囲に絞った過去議事録
  2. Claude、ChatGPT、Geminiなど、表を作れるAI
  3. 用語集を保管するスプレッドシートかExcel
  4. 完成した用語集を入れるNotebookLM

最初の候補をAIに作らせ、人が育てる。この順番なら、用語集づくりは今日の10分から始められます。

  • 用語集を入れると誤認識がどこまで減るか
  • 過去議事録から用語集の候補を作る方法
  • AIの出力を人が確認する3つの場所
  • 呼称のゆれを用語集でそろえるやり方
  • NotebookLMへ入れて次回以降に効かせる流れ

まず、なぜ用語集で誤認識が減るのか

会議の音声を入れて議事録を作らせると、最初に目につくのが用語の崩れです。

PT、OT、STのような略語。主任、係長、ナース、ヘルパーのような呼称。通所リハビリテーション、生活支援ハウス、ソフト食、嚥下対応食のような業界用語。これらは一般的な辞書にない、または読み方が複数ある言葉が多い。

普段の会議で当たり前に飛び交っている言葉ほど、AIは外します。委員会で「PT C」と発言した部分が「ピーティー シー」と書き起こされて、誰のことか分からなくなる。これを毎回手で直すのは、現実的ではありません。

NotebookLMには「ソース」という仕組みがあります。ノートブックに渡したファイルを、AIが優先的に参照する。普通は会議の音声をソースに追加しますが、ここに用語集ファイルを一緒に追加するだけで、AIが「この場ではこの読み方・表記を優先する」と判断してくれます。

つまり、AIに毎回「この用語に注意してね」と書く必要はありません。資産として用語集を渡しておけば、自動で効きます。

用語集導入前後の誤認識数と手直し時間の比較

ゼロにはならない。残る3パターン

用語集は万能ではありません。入れても残る誤認識が3つあります。

  • 声が小さくて拾えていない発言。録音側の問題なので用語集では救えません。マイクを話者側に向ける、空調から離れた席に置くなどで対応します
  • 用語集に載せていない初出の言葉。新しく出た固有名詞は、1回目は手で直して用語集に追記。2回目以降は自動で正しく出ます
  • 文脈依存の判断ミス。「主任」が田中主任なのか山田主任なのか、文脈で判断する必要がある場面ではAIが間違えます。ここは提出前の手直しで吸収します

それでも、毎回起きていた基本的な誤認識を一気に潰せます。議事録作成の労力は目に見えて減ります。

用語集は、手で全部書き出さなくていい

効果があるのは分かった。でも「人名、職種、部署名、専門用語を全部出してください」と言われると、そこで止まります。何を登録すればよいかを思い出し、表にし、表記までそろえる。使う前の準備だけで疲れてしまいます。

正直、ゼロから手で書き出すと20〜30分はかかります。

そこで、最初の洗い出しをAIに任せます。

私の用語集は、職種・人名・専門用語・施設や部署名の4ファイルで合計300件を超えています。そのうち最初の約8割は、過去の議事録を渡してAIに下書きさせたものでした。自分で全部を思い出して入力したわけではありません。

  • AIの役割は、過去議事録から候補を拾い、表へ並べること
  • 人の役割は、今も使う言葉か、表記をどう決めるかを確認すること
  • 最初から300件を目指さず、次の会議で使う分だけ作ればよい

過去議事録には、現場の言葉がすでに入っている

一般的な用語集を探しても、自分の現場の呼び方までは載っていません。

  • 施設内で使う部署名
  • 職種や役職の略し方
  • 会議でよく出る委員会名
  • 食形態、リハビリ、加算などの専門用語
  • 人の呼び方や、議事録上でそろえたい表記

これらは、過去議事録にすでに出ています。新しい資料を探す必要はありません。まずは、以前に人が確認し終えた議事録を数本だけ集めます。テキスト、Word、過去にNotebookLMから出力した議事録など、読める形式なら構いません。

利用者・患者・職員を特定できる情報を含む議事録は、そのまま外部AIへ渡してはいけません。施設のルールとサービスの設定を確認し、不要な個人名・ID・個別の経過は除いたうえで扱ってください。迷う場合は、まず職種名・専門用語・部署名だけの資料で試します。

AIに渡してよい情報の線引きは、医療介護現場でAIを使うときのルールでも整理しています。

最初のプロンプトは、これだけでいい

最初は細かな指示書を用意しません。次の一文を、過去議事録と一緒に渡します。

この議事録に出てくる人名・職種・部署名・専門用語を抽出して、
「読み方/表記/備考」の3列で用語集の下書きにしてください。
同じ意味の表記ゆれは、候補としてまとめてください。
判断に迷うものは「要確認」と書いてください。

ここで欲しいのは完成品ではなく、候補の一覧です。最初から「正しい表記だけを出して」と頼むと、AIが自信を持って推測した内容が混ざることがあります。迷うものを「要確認」として残すようにしておくと、確認すべき場所が見えます。

出力を見てから、「人名は別表にして」「略語を優先して」「備考に別表記も残して」と追加すれば十分です。最初から完璧なプロンプトを作る必要はありません。

3列で書く。この形なら十分

読み方表記備考
ぴーてぃーPT理学療法士。職種名
なーすナース看護師の通称
えんげ嚥下飲み込みのこと
そふとしょくソフト食嚥下対応食の一種
つうしょりはびり通所リハビリテーション通所リハ、デイケアも候補
かんふぁカンファカンファレンス。多職種会議

「読み方」を入れることで、音声から起こされた仮名表記をAIが正しい漢字や英字に変換しやすくなります。「備考」は省略してもいいですが、少し書いておくと、AIが文脈に応じて使い分けてくれることがあります。

表の見た目を整えるのは後回しで構いません。まずは、次の議事録で使えそうな言葉が並ぶ状態を作ります。

AIの表は、3つだけ確認する

AIが作った表を開いたら、最初に確認するのは3つです。

  1. 今も使う言葉か。異動した職員名、組織変更前の部署名、古い呼び方を外す
  2. 表記を一つに決められるか。「通所リハ」「デイケア」のような言葉は、議事録に出したい形を決める
  3. AIへ渡してよい情報か。個人名を含める必要があるか、匿名化や社内管理に切り替えるべきかを確認する
  • 同じ言葉が重複していないか
  • 読み方と表記が合っているか
  • 古い部署名・退職者名が残っていないか
  • 判断できない言葉を無理に確定させていないか

呼称のゆれは、用語集でそろえる

用語集は単語の正解を渡すだけでなく、呼称を統一する目的でも使えます。

たとえば、田中主任という人がいるとします。会議では「田中さん」「田中主任」「主任」と呼ばれ方がバラバラです。AIに任せると、その揺れがそのまま議事録に出ます。

用語集にこう書いておきます。

読み方表記備考
たなか田中主任「田中さん」「主任」と呼ばれた場合も「田中主任」に統一
やまだ山田PT理学療法士。「山田さん」も「山田PT」に

これで議事録上の呼称が揃います。読み返したときに、誰の発言か職種・肩書きまで分かる状態になります。

職種でも同じことができます。「ナース」「看護師さん」「Cさん」とバラバラに呼ばれても、用語集で固定しておけば出力が統一されます。

AIに任せるのは候補の抽出までです。最終的にどう書くかは、現場を知っている人が決めます。

4つに分けると、後から更新しやすい

候補を確認したら、用語集は一つの巨大な表にせず、次の4つに分けます。

用語集を4カテゴリに分ける構成図

ファイル入れるもの更新する場面
職種・肩書きPT、看護師、主任など役職や呼称を変えたとき
人名会議に出る職員名異動、入職、退職のとき
専門用語・略語嚥下、加算、委員会名など新しい言葉が出たとき
施設・部署名病棟名、フロア名、部門名など組織変更のとき

分ける理由は2つあります。

ひとつは、メンテナンスのしやすさ。人事異動があれば「人名」だけ、組織変更があれば「施設・部署名」だけ更新すればいい。全部1ファイルにしていると、どこに何があるか分からなくなります。

もうひとつは、会議の性格に応じて使い分けられること。委員会の議事録なら4つ全部入れる。個人用のメモなら「人名」は要らないかもしれない。必要なものだけ選んで投入できます。

1ファイルあたり100〜200件あっても問題ありません。NotebookLMはソースを丸ごと読みます。

NotebookLMのソースに追加する

用語集ができたら、あとは入れるだけです。

会議の音声をNotebookLMへアップロードするとき、同じノートブックの「ソースを追加」から、用語集ファイルも一緒に追加します。その会議に必要な用語集だけを選んで入れれば十分です。

これで、次に「議事録を作って」と打ったときから、用語集の表記が優先されます。プロンプト側で用語について書く必要はありません。

議事録そのものをNotebookLMで作る手順は、NotebookLMで議事録を作る全手順にまとめています。

次の議事録で使い、1行ずつ育てる

用語集は、一度完成させるものではありません。

次の会議で議事録を作り、誤変換が一つ見つかったら、その言葉を用語集に1行追加します。逆に使われなくなった言葉は外します。この繰り返しで、現場固有の言葉が少しずつたまります。

私の用語集も、最初は職種と略語の20件だけでした。半年経った今は4ファイル合計で300件を超えています。育てるほど誤認識が減っていく実感があります。

最初からすべてを整えようとすると続きません。過去議事録を2〜3本渡して、10分で候補を出す。次の議事録で使う。そこで見つかった不足を足す。この順番で十分です。

まとめ──AIで候補を作り、人が現場の言葉にする

NotebookLMの用語集は、誤変換を減らすために役立ちます。ただし、用語集づくりを全部手入力にすると、始める前に止まってしまいます。

  1. 過去の議事録を、扱ってよい範囲に絞る
  2. AIに「読み方/表記/備考」の3列で候補を出させる
  3. 今も使う言葉、表記ゆれ、個人情報の3点を人が確認する
  4. 職種・人名・専門用語・施設名の4ファイルへ分ける
  5. NotebookLMのソースへ追加し、誤変換が出たら1行ずつ育てる

AIに正解を決めさせるのではなく、確認しやすい下書きを作らせる。用語集も、この使い方なら10分から始められます。

まずは、手元にある過去の議事録を1本開いてみてください。そこに並んでいる言葉が、そのまま用語集の材料です。