医療介護の音声入力ツール比較【2026年版】|4タイプの選び方と始め方
目次
結論を先に書きます。
医療介護の音声入力ツールは数が多くて迷いますが、選び方の軸はシンプルです。
- まず「いま使っている介護ソフト・電子カルテ」との連携で、専用ツールはほぼ絞れる
- いきなり専用ツールを入れなくても、AIボイスレコーダーや汎用の議事録AIで「録音 → 文字起こし → AI要約」の型は今日から試せる
- 精度を分けるのは「専門用語の辞書」があるかどうか
この記事で扱うもの:
- 専用ツール:AmiVoice、ハナスト、ミルモレコーダー ほか
- 汎用AI:NotebookLM、Gemini、議事録AI(Notta など)
- AIボイスレコーダー:PLAUD、Anker Soundcore Work
医療介護で使える音声入力ツールを4タイプに整理して比較し、選ぶときの判断軸と、私自身がどこから始めたかをお伝えします。まずは「なぜ今なのか」から。
なぜ今、音声入力なのか
2026年5月の経済財政諮問会議で、医療介護のAI活用が国の方針として動き始めました。そこで挙げられた4つの柱の一つが「音声入力」です。(この動きの読み解きは別記事「人手不足の正面に、AIが座った」に書きました)
要するに、音声入力は「いつかやること」ではなく「今から始めること」のフェーズに入っています。記録・議事録・計画書づくりに追われている現場ほど、効果が大きい分野です。
音声入力ツールは大きく4タイプ
ひとくちに「音声入力ツール」と言っても、性格の違う4タイプがあります。ここを分けて考えると、迷いが減ります。

① 医療専用(電子カルテ連携・医療辞書あり)
電子カルテへの音声入力に特化し、診療科ごとの医療用語辞書を持つタイプ。AmiVoice、HOPE LifeMark-Voice、MegaOak Voice Assist、Speech ER など。精度は高いがコストも規模も大きめ。
② 介護専用(介護ソフト連携・介護辞書あり)
介護記録ソフトと連携し、褥瘡・嚥下・拘縮といった介護用語に対応するタイプ。ハナスト、ワイズマン音声記録AI、ミルモレコーダー、ほのぼのNEXT音声入力など。ケアプラン作成に特化したAIケアプラン・SOIN・ミルモぷらんもこの仲間です。
③ 汎用議事録AI(ソフト型)
医療介護専用ではないものの、会議・カンファレンスの議事録に十分使えるタイプ。スマート書記、Notta、Rimo Voice、toruno、AI GIJIROKU など。月数千円から始められ、運営会議や地域連携会議の記録に向きます。
④ AIボイスレコーダー(デバイス型・録音機+AI一体)
録音から文字起こし・要約までを小さな専用デバイス+アプリで完結させるタイプ。PLAUD(NOTE Pro/NotePin)や、2026年3月に出たAnker Soundcore Work など。ICレコーダーの「AI内蔵版」と考えると分かりやすく、導入のハードルが最も低いのが特徴です。
規模・用途別のおすすめ(早見表)
| 規模・用途 | 向いているもの | ひとことで |
|---|---|---|
| 個人〜小規模(コスト重視) | ハナスト / ミルモレコーダー / 議事録AI / AIボイスレコーダー | 単体・スマホ・デバイスで始められる |
| 中規模(バランス) | ほのぼのNEXT+音声 / ハナスト+CAREKARTE / ワイズマン音声記録 | 記録〜請求まで一体 |
| 大規模・病院 | AmiVoice HospitalClient / HOPE LifeMark / MegaOak / Speech ER | 電子カルテ全体に展開 |
| 訪問(モバイル) | AmiVoice iNote / ハナスト / むすぼなAI | スマホ完結・移動中入力 |
| ケアプラン作成 | AIケアプラン / SOIN / ミルモぷらん | 課題・目標の文案生成 |
| 会議・カンファの議事録 | スマート書記 / Rimo Voice / ミルモレコーダー / AIボイスレコーダー | 録音→要約まで |
選ぶときの判断軸は3つだけ
迷ったら、この3点で考えると決まります。
-
いま使っている介護ソフト・電子カルテとの連携 ここが最大の分かれ目です。ワイズマンならBONX連携、ケアカルテならハナスト、NDソフトならほのぼの音声入力、富士通HOPEならLifeMark-Voice、NECならMegaOak——既存システムに合うものを選ぶと、記録から請求まで途切れません。
-
専門用語の辞書があるか AmiVoice系(医療)やハナスト・ミルモレコーダー(介護)は専用辞書を持つので、専門用語の変換が安心です。汎用の議事録AIやAIボイスレコーダーは、辞書がない分、事前に用語をテストしておくと安全です。
-
規模とコスト 個人〜小規模なら月数千円の議事録AIや2〜3万円台のAIボイスレコーダー、大規模病院なら月十数万円規模の電子カルテ連携型、と幅があります。「まず小さく試して、効果を見てから本格導入」が失敗しにくい順序です。
私はこう使っている(現場管理職の実例)
参考までに、私自身の使い方です。専用ツールはまだ導入しておらず、手元の機器と汎用AIの組み合わせで回しています。
- 入力:ICレコーダー、またはスマホの音声入力で録音・入力する
- 用途でAIを使い分け:
- 会議の議事録の要約や、新人向け手順書の作成は NotebookLM
- スケジュール管理は Gemini に音声で伝えて、Googleカレンダーへ登録してもらう
効果は、以前から書いている通り、広報委員会の議事録が3日かかっていたのが10分になりました。それに加えて実感しているのが、保管とあと追いのしやすさです。もともと手書きだった記録が、見やすいテキストで残るので保管が楽になり、デジタル化されたことで「あの時どう決めたか」を後から検索して確認できるようになりました。手書きにはなかった価値です。
専用ツールを入れていなくても、ここまではできます。だからこそ、最初の一歩は気軽でいいと思っています。
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どこから始めるか:まずは「手元の延長」から

いきなり電子カルテ連携の専用ツールを検討すると、コストも調整も重くなります。おすすめは、自分の今の使い方の延長から始めることです。
私のように ICレコーダー+手動で文字起こし をしている人なら、それを AIボイスレコーダー(PLAUDやAnker Soundcore Work)に置き換えるのが分かりやすい第一歩です。録音した瞬間に文字起こしと要約まで終わるので、「録音 → 自分で書き起こす」の手間がまるごと消えます。
文字起こししたテキストをAIで整えるときは、こんなプロンプトが使えます(コピペで使えます)。
以下は会議の文字起こしです。次の形式で議事録にまとめてください。
# 形式
- 日時・参加者
- 議題ごとの「決まったこと」
- 宿題(担当者・期限つき)
# ルール
- 雑談や言い直しは省く
- 専門用語は下の用語集の表記に統一する
# 用語集
(例:PT=理学療法士、ADL=日常生活動作 …)
# 文字起こし
(ここに貼り付け)
この「録音 → 文字起こし → AIで整形」の型を一度体験すると、効果が腹落ちします。そのうえで、自施設の介護ソフトに合う専用ツールへ進むかを考えれば十分です。
一つだけ注意:患者・利用者の情報の扱い
便利な反面、忘れてはいけないのが個人情報です。患者・利用者が特定できる情報は、仮名化・抽象化してから使う、AIサービスの学習設定を確認する、といった配慮が必要です。ここは大事なテーマなので、別記事「個人情報とAIの付き合い方」で詳しくまとめる予定です。
まとめ
- 音声入力ツールは「医療専用/介護専用/汎用議事録/AIボイスレコーダー」の4タイプ
- 選び方は「既存ソフトとの連携・専門用語辞書・規模とコスト」の3軸
- まずは手元の延長(AIボイスレコーダーや汎用議事録AI)で「録音→文字起こし→AI要約」の型を試す
- 効果を実感してから、自施設に合う専用ツールへ
「自分の施設にはどれが合うのか」「どう導入を進めればいいか」のご相談は、お問い合わせからどうぞ。現場目線で一緒に整理します。
この記事で紹介したツール(情報元)
医療専用
- AmiVoice(アドバンスト・メディア): https://medical.amivoice.com/
- HOPE LifeMark-Voice(富士通Japan): https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/lifemarkvoice/
- MegaOak Voice Assist(NEC): https://jpn.nec.com/medical_healthcare/voiceassist/index.html
- Speech ER(TXP Medical): https://txpmedical.jp/service/speech-er/
介護専用
- ハナスト(ケアコネクトジャパン): https://hanasuto.carekarte.jp/
- ワイズマン音声記録AI: https://www.wiseman.co.jp/
- ミルモレコーダー(ウェルモ): https://welmo.co.jp/news/news-20250314/
- ほのぼのNEXT 音声入力(NDソフトウェア): https://www.ndsoft.jp/product/next
- かんたん介護記録(カナミック): https://www.kanamic.net/lp/kantan-kaigo-kiroku/
- むすぼなAI(やさしい手): https://musubona.plamado.com/ai/
ケアプラン作成
- AIケアプラン(NDソフトウェア): https://www.ndsoft.jp/product/aicareplan/
- AI予測くん(日本ケアコミュニケーションズ): https://www.care-com.co.jp/caremane/aiyosoku/
- SOIN: https://soin.tech/
- ミルモぷらん(ウェルモ): https://milmoplan.welmo.co.jp/
AIボイスレコーダー
- PLAUD(PLAUD.AI): https://jp.plaud.ai/ (NotePin 27,500円/Note Pro 30,800円)
- Anker Soundcore Work: https://www.ankerjapan.com/pages/soundcore-work (参考24,990円/2026年6月のセール時18,790円)